昔の出来事

日常
By: Omer Unlu

ここで書いたクレームのお話です。

 

もう10年以上前でしょうか、フィルムがまだまだ頑張っている頃でした。

新幹線先頭車両の前でお子様が写っている写真でした。先頭車両の鼻先はネガの左いっぱいで、お子様は中央やや右寄りに写っていました。
普通サイズでプリントすると新幹線の鼻先は切れてしまうのですが、その時は何も考えずそのままプリントしました。

当時は写真屋さんもまだまだ忙しく、その時も残業で残っていた時でした。
22時頃だったと思いますが、突然電話が鳴り、かなりびくっとしました。
電話を取ると、「お前の店はこんなひどい事をするのかぁ!」とご立腹です。ずっとそんなことを言い続けているので何に怒っているのか要領を得なかったのですが、
「とにかく今すぐ行くから、店を開けて待ってろぉ!」と。

しばらくするとご来店。
顔を真っ赤に怒っていらっしゃいます。少々お酒の匂いも・・・

私「大変申し訳ございません。どうされたのでしょうか?」
お客様「お前の所はこんなひどい商売するのかぁ?警察呼ぶぞぉ!」
一枚の写真を出されました。
お客様「お前の所はこんなひどい商売するのかぁ?警察呼ぶぞぉ!」
私「???どうしたのでしょうか?」
お客様「新幹線の先頭の所が切れてるだろうがぁぁ!お前の所はこんなひどい商売するのかぁ?警察呼ぶぞぉ!」
「ネガじゃもっと写ってるだろうがぁぁ!なんで全部入らないんだぁ!警察呼ぶぞぉ!」

その時の私は未熟でしたので、どうしてカットされるかの説明を始めてしまいました・・・。
これでさらに激昂!!言い訳に聞こえたんだと思います。

お客様「そんなの関係ねぇ!お前の所はこんなひどい商売するのかぁ?警察呼ぶぞぉ!」
私「大変申し訳ございませんでした。すぐに焼き直しいたします。」

そのまま普通サイズで焼くと、鼻先を入れても反対側が切れてしまい、警察を呼ばれてしまうので(ネガの場合は3:2と同じで、普通サイズの場合左右が切れます)
ネガのほとんどがプリントされるKGサイズで出力しました。
プリントが出力される間も、「警察呼ぶかぁ!」を連呼していました。
私は「はい、すいません。」と謝っていましたが、あまりに連呼するのでもう警察呼ぼうかな?と思いました。
そのうちプリントが出てきたので、サイズが違う理由の説明をし、お客様にご確認していただきました。

すると、あんなに警察を呼びたがっていたお客様がニッコリ。
「これだよこれ!最初っからこうすりゃいいんだよ!」と大変ご満悦です。
納得し、やっと落ち着いていただけました。

お見送りをしていた所で、最後に一言。
「ちゃんと仕事しろよ!人の話は良く聞けよ!」
と去っていきました。

と、こんな事が昔にありましたので、出来る限り慎重にプリントしております。

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